諸行無常

この時期に無常を感じることといえば、桜の花・・・もありますが、つい数日前にフランスから悲しいニュースが。パリの名所ノートルダム大聖堂の火災です。

立派なキリスト教施設に仏教の思想で立ち向かうのも場違いな感じはしますが、形あるもの全てはいつか変化してしまうものなのだなと思わずにはいられませんでした。着工したのは1163年、完成は1250年と、850年以上堂々とした姿を保ってきたわけですが、やはり相手は太古から度々牙をむいてきた火とあって、無傷とはいきませんでしたね。とはいっても再建の動きもあるようで、また以前とは違った堂々たる姿を見せてくれる日が来ることでしょう。

ここまで西洋の建物に無常観を重ねてみたわけですが、日本で無常観といえば鴨長明の『方丈記』でしょう。「ゆく河の流れは絶えずして~」でおなじみのあの名文です。そんな方丈記が書かれたのは、件の大聖堂とほぼ同じ時期の1212年ごろです。900年以上の時を駆け抜けて、今も中学や高校で定番の文章・思想として生き続けていますね。

それにしても、「無常観」を唱えた書物が長明の意に反して(?)1000年近く、そのまま残っているのに対し、歴史的にも遺産価値の高い大聖堂が無情にも大きく変化してしまうとは。少し皮肉な感じがします。

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